伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜
頭料理
大分県南西部に位置し海から遠く新鮮な海魚を食べる機会が少ない竹田市で、貴重な魚を余すところなく食べるための工夫として「頭料理」が生み出されました。「頭料理」にはニベ、アラ、クエ、ハタなどの大型の白身魚が使用され、普段なら捨ててしまうようなえら、あご、内臓、皮なども材料とされています。それぞれ湯引きし、大皿に盛り付け、紅葉おろしや刻みネギと、カボスの三杯酢でいただきます。江戸時代初期の藩主中川久清の頃から作られるようになったといわれ、幕末期の記録(元治2年(1865年)、慶応2年(1866年)「恵比寿講帳」)にも、城下町で正月に開催された恵比寿講の献立に「頭料理」が記されています。祝い事などハレの場で家族や客人と楽しむとともに、年末にまな板を縁側に持ち出し、大きな魚をさばく風景が風物詩になっていました。現代でも竹田市内の取り扱い店舗への予約により「頭料理」を食べることができます。
