全国各地の100年フード

         

 文化庁では、我が国の多様な食文化の継承・振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、100年続く食文化「100年フード」と名付け、文化庁とともに継承していくことを目指す取組を推進しています。

 初年度となる令和3年度は、応募のあった212件について、有識者委員会による審査を行った結果、認定基準を満たした131件を認定しました。また、有識者からの評価が特に高かった15件を有識者特別賞としました。

 2回目となる令和4年度は、応募のあった90件について審査を行い、認定基準を満たした70件を認定、そのうち評価が高かった4件を有識者特別賞としました。

「100年フード」都道府県別一覧
(令和3年度)
「100年フード」有識者特別賞一覧
(令和3年度)
「100年フード」都道府県別一覧
(令和4年度)
「100年フード」有識者特別賞一覧
(令和4年度)
         

 このページでは、全国各地の100年フードを紹介します。

甲信越・東海

近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和年4度認定

大歳のごっつお

美濃加茂市では12月31日を“大歳(オオトシ)”と呼び、大晦日には“大歳のごっつお”(大歳のごちそう)が、必ず食卓にあがりました。大きな鍋に切った大根、ごぼう、にんじん、こんにゃく、里芋を順に入れ、上に煮干しをのせ水を注ぎ煮ます。堅い野菜に火が通ったらしょうゆで味付けし、豆腐、油揚げ、糸昆布をのせ、弱火でじっくり煮ます。大晦日はこの煮物とお頭つきの魚としてメザシ(鰯の干したもの)がつきました。山に囲まれた岐阜県では、畑で野菜は採れますが、新鮮な魚は手に入らず、海の幸は定期的にやってくる行商人から買うのが普通だった時代があります。当時、メザシもたいそうなごちそうでした。大鍋で煮た“大歳のごっつお”は正月三が日の間、何度も温め直して食べられ、忙しい主婦を助けました。今でも、正月の定番料理として食べる家庭も少なくありません。

【岐阜県】

みのかも文化の森/美濃加茂市民ミュージアム 美濃加茂伝承料理の会

http://www.forest.minokamo.gifu.jp/cultural/shiki_taberu/index.cfm
大歳のごっつお