伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜
牟岐の押し寿司
牟岐の押し寿司はこの地域において遅くとも100年以上前から友人・親戚が集まる機会や祭り、正月などのめでたい席で提供され、母から子へ姑から嫁へ受け継がれてきた地域の郷土料理である。この地域では米酢は使用せず、「ゆうのす」と呼ばれるゆず酢のみを使用している。 牟岐の押し寿司は魚を焼いてゆうのす(ゆず酢)につけ酢にごしを作り、にんじんやごぼう、切り干し大根、しいたけ、ちくわなどを醤油や酒、みりんなどで味付けした具材と砂糖やみりんで甘く煮た金時豆などの具材を用意しておき、押し枠に酢にごしを混ぜた酢飯を敷き、その上に具材を乗せ、さらにその上に酢飯をかぶせて軽く押す。飾りとしてゆずの皮や卵、紅しょうがなどを乗せ、彩よく仕上げる。飾りは季節や家庭によって異なる。見た目には白いごはんのみで作られているように見えるが、割ったときに刻んだ具材が出てくるのが特徴である。
