伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜
西京白みそ
1200年以上もの間、政治・経済・文化の中心で、雅やか王朝文化が花開いた京都で「西京白みそ」は生まれました。宮中では早くから、ハレの儀式(祝儀)に欠かせない調味料として重用され、正月には白みそ雑煮が供されました。後にこれが一般に広がり、今日も西京白みそで仕立てた雑煮で正月を祝います。西京白みその特徴は、米麹の円やかな甘みと塩分の低さ、美しい淡黄の色合いです。現代においても、往時の製法を受け継ぎ、米麹を大豆の約2倍使用し、塩分は5%程度に抑えて短期間で発酵・熟成させて醸造します。西京白みそは、みそ田楽、西京漬や茶懐石、味噌松風、京都の祭事菓子などに幅広く使われている事から、京都の食、生活・文化と密接な調味料であった事がうかがえます。「西京白みそ」は、明治の一時期、東京に対して京都を「西京」とも称したことから、京都の白みその意で呼ばれるようになりました。
