伝統の100年フード部門〜江戸時代から続く郷土の料理〜
西谷地区のちまき
ちまきは、中国戦国時代の楚の屈原を弔うために始まったとされる端午の節供の行事が由来と言われており、それが日本に伝来し、茅萱(チガヤ)の葉で最初に巻いたため、ちまき(茅巻き)という名前がついたと言われています。ちまきの名前がついたのは奈良時代で、その後地方に広がっていった際に、それぞれの地域に生育するササ類、ススキ、ヨシ、ダンチクなどの植物の葉で包むように変化していきました。 西谷地区では、全国的にもきわめて稀なナラガシワとヨシの2種類の植物で包むちまきが作られており、ナラガシワとヨシを使ったちまきは昭和初期まで猪名川上流域と武庫川中流域で広く作られていましたが、現在ではほとんど作られていません。 作ったちまきは田植えが終わった後の労いとして食されていたほか、里帰りの際に土産として持たせるなど、単なる食文化としてだけでなく、贈答の習俗として地域に根差したものとなっています。
