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全国各地の100年フード

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秋田県

近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和6年度認定

秋田の佃煮

秋田には独自の佃煮文化があります。 明治時代に八郎潟を中心とした豊富な水産資源を活かして始まりましたが、八郎潟干拓により漁獲量が減少し、現在は7社が製造を続けています。秋田の佃煮は独自の食文化を作って広めてきました。1、いかの佃煮に甘納豆(手亡豆)が加えられた独特の商品。 他県では見られず、秋田県内のほとんどのスーパーで広く販売されていて派生商品として、さつまいもや小豆を使ったものもあります。 2、新鮮なわかさぎを使用した「わかさぎからあげ」は、醤油の甘辛タレや塩味、カレー味など多彩な味付けで各業者が製造しています。3、小女子を生のまま水飴で炊き、鮮度とうま味を引き出す独特の手法です。これらの工夫を重ねた商品群を総称して「秋田の佃煮」と呼んでいます。
秋田の佃煮
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和6年度認定

鹿角ホルモン

鹿角市の郷土料理「鹿角ホルモン」は、鉱山の運搬に牛馬が使われていたことや、鉱山で働く人々の栄養源として、馬肉やホルモンがよく食べられていた事から地域の鉱山文化と深い結びつきを持っています。その起源は昭和26年、現在の「ホルモン幸楽」を創業した女性がホルモン料理を地元に提供したことに始まります。味噌または醤油ベースのこってり甘辛いタレで味付けした豚や牛の内臓を、ジンギスカン鍋で焼いて煮て食べるのが鹿角ホルモンです。ホルモンの上から蓋をするように乗せたキャベツから水分が出て、煮汁をすくってかけながらじっくり火を通していきます。キャベツがしんなりとしてホルモンに火が通れば食べ頃で、タレのうまみが全体に染み渡り、白いご飯やお酒がどんどん進む絶品料理です。通常のホルモン料理とは違いジンギスカン鍋を使うのが特徴で、締めには鍋に残った出汁にうどんといただくのが定番。最後まで美味しく楽しめる一品です。
鹿角ホルモン
秋田県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和5年度認定
有識者特別賞

いぶりがっこ

秋田では冬場の食糧確保のため、漬物など保存食を作る文化が根付いており「いぶりがっこ」も、保存食として根付いた秋田特有の食文化です。「いぶりがっこ」は大根の乾燥工程を燻製で行うという秋田独自の製法で造られた「たくあん漬け」です。パリパリとした食感と、芳醇で香ばしい燻しの香り、そして大根の甘みが一体となった独特の風味を持つ逸品です。一般的にたくあんは大根を天日干し後に漬け込みます。しかし秋田の冬の日照時間は少なく、気温も氷点下になることから、大根を屋外に干すことができませんでした。そこで、屋内の梁などに吊るして大根を干しました。囲炉裏の上に吊るされた大根は自然と燻され、その大根を漬けたことが「いぶりがっこ」の始まりとされています。秋田の厳しい冬の中、食を繋ぎながら少しでも家族においしいものを食べさせたいという先人たちの知恵と想いの結晶が秋田の伝統食品「いぶりがっこ」です。
いぶりがっこ
秋田県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和5年度認定

こさかまちかつらーめん

かつて日本有数の鉱山を有し栄えた町、秋田県小坂町。この町で大正初期から続く伝統行事小坂七夕祭は、鉱山従事者の技術を生かした山車の出来を競わせることを目的にしていました。山車製作中、飲食店での食事を楽しむ鉱山従事者が、作業終盤には急いで食事を済ますため、かつ丼の上具をラーメンに乗せたメニューを店側に提案し、裏メニューとして提供が始まったのが昭和45年頃。その後、町民に人気を博したかつらーめんは43年の時を経て、町のソウルフードとして、民間団体こさかまちかつらーめんBOO会に継承されました。地元ブランド豚を使用し、各店の解釈でアレンジされたかつらーめんと、二人羽織で早食いを競うイベントが話題を呼び、秋田県内での認知度は飛躍的に向上。“古くて新しい庶民の味”をテーマに進化を続ける、こさかまちかつらーめん。是非ご賞味あれ!
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和5年度認定

西馬音内(にしもない)そば

秋田県羽後町は日本三大盆踊りの一つと言われ、ユネスコ無形文化遺産に登録された風流踊りの一つ西馬音内盆踊りの地であります。先人たちの生活の営みの中から生まれた、多くの古い文化を大切に育んでいる地域でもあります。米作地域のこの地に、200年以上前の江戸時代後半そば屋が創業されました。初代弥助が大坂で修業をし、試行錯誤を重ね繋ぎの一つとして海藻である布海苔を使い、冷たい汁で食べる冷がけそばは、地域はもちろん、物資の集積地と言われたこの地を訪れた人々をも魅了しました。布海苔を使う技法は縁者たちによって広められ、新たなそば屋として現代まで受け継がれております。内陸地にありながら、海藻である布海苔を使うことや西馬音内そばの特徴である冷たい汁で食べる冷がけそばの技法は歴史のロマンとして、現代まで受け継がれてきており、毎年秋に開催されている「西馬音内そばまつり」でおいしさの情報発信が図られています。
秋田県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和4年度認定

横手やきそば

戦後間もなくから市民に親しまれてきた「横手やきそば」はツルツル、モチモチの茹で麺が最大の特徴です。鉄板での調理に適したこの麺は1軒の屋台の店主と製麺業者が試行錯誤を重ね生み出しました。安価でおいしいと子どもたちのおやつとして大人気となり、次第に多くの市民に好まれる郷土食として浸透していきました。今ではこの味目当てに横手を訪れる観光客も多く、伝統行事「かまくら」とならぶ横手の代名詞となっています。特徴的な茹で麺に絡むソースは出汁やスープを加えたマイルドな味わい。具材はシンプルにキャベツと豚ひき肉。半熟の目玉焼きの黄身を麺に絡めて食べるのが「横手流」。縁に添えられた福神漬けは、子どものおやつとして親しまれてきた名残りといわれています。食堂や専門店のみならず一般家庭でも食卓に上る「横手やきそば」は、これからも横手の郷土食として市民と共に歩み続けます。
秋田県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和3年度認定

秋田かやき

「かやき」は、日本海側東北地方で食べられるひとり鍋料理の一種で、浜の漁師たちが大きなホタテの貝殻を鍋代わりに使用した「貝焼き」が訛ったものと言われています。古くは、江戸料理集にあり、徳川将軍が関わる重要な饗応食にアワビの貝殻を鍋にした「貝焼き」が登場しています。秋田県で昔から家庭で親しまれてきたものとして、味噌、醤油味、秋田名物ハタハタから作られた魚醤のしょっつる味が定番の味付けで、クジラの脂身を食べる「クジラかやき」、夏は「ナスかやき」、豚肉の「肉かやき」がポピュラーです。「秋田かやき」は、郷土の歴史に育まれてきた「かやき」を進化させ現代に合わせて創造されました。各飲食店の特徴を生かし、和・洋・中の様々な味付けで、旬の魚介や野菜、山菜などを煮込み、各店自慢の一人鍋として提供しています。また、「鳥海なめこ汁」は、「ニッポン全国鍋グランプリ2020」でも準グランプリを獲得しました。
秋田かやき
秋田県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定
有識者特別賞

きりたんぽ

「きりたんぽ」は、江戸時代からあり、日本三大美味鶏として有名な大館産比内地鶏のガラで出汁をとり、比内地鶏の肉や地元の具材を入れて作る鍋料理として、大館ではごく普通の家庭料理です。各家庭で、母から子へと代々受け継がれてきたいわば「おふくろの味」です。また、客をもてなすために欠かせない料理でもあり、冠婚葬祭の際は、必ずといっていいほどだされるごちそうでもあります。秋も深まり新米の出回る時期になると、新米のきりたんぽと脂の乗った比内地鶏を味わう「たんぽ会」が市内の至るところで頻繁に催され、街はたんぽ一色になります。大館の人々にとってきりたんぽは生活から切り離せないものなのです。このような大館の風土が、昔のままのきりたんぽを現在に至るまで守り続けてきました。
秋田県
近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和3年度認定

ジャンボうさぎ料理

ジャンボうさぎは、明治時代に端を発し現在まで100年以上にわたり飼育されてきた秋田県仙北地域の伝統的な家畜であり、大仙市中仙地域では「全国ジャンボうさぎフェスティバル」が開催され品評会や試食会が行われるなど、貴重な地域資源であるとともに代表的な特産品のひとつです。兎肉は、他と比べ高タンパク、低カロリーと言われており健康指向の方にお勧めで、独特の食感や旨味を味わうことができます。地元では一般的に鍋料理の具材として利用されることが多いですが、煮込み料理や、素材を活かした串焼きも非常に美味です。現在は飼育される方が少なくなり、一般の家庭ではなかなか手に入れることができない稀少な食材ですが、地域の飲食店では地元食材の特徴を引き出す料理人が腕を振るい、お店ならではの味を楽しむことができます。
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

白餅

秋田県にかほ市釜ヶ台地区に伝わる餅菓子で江戸時代に発祥しました。毎年12月12日の山神社の祭りの際に食べ、法要膳に藁を敷き、焼く前のこの餅を十二支に見立て箸でちぎりお供えしました。餅米とうるち米を混ぜ浸水させたものを、臼に入れ、杵で叩いて砕き、篩にかけながら細かくし、水、砂糖と少量の塩を加え練ったのち形成、両面をこんがりと焼きます。米本来の甘味に香ばしい焼き目がアクセントとなった、非常に素朴なお菓子です。