本文へ移動

全国各地の100年フード

カスタム検索
カスタム検索
認定年度
タイプ(複数選択可)
キーワード(複数選択可)

徳島県

未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和6年度認定

御所のたらいうどん

「御所のたらいうどん」は、うどんを木製のたらいに入れ、つけ汁につけて食べる阿波市の郷土料理です。土成町御所の国道318号を山の奥へと進んで行くと、清流沿いにたらいうどん専門店が並んでいます。お店で打った自家製麺はコシが強く小麦の風味が豊かで、濃いめの出汁とよく合います。たらいうどんの食べ方にはちょっとしたコツがあります。箸でうどんを引き上げる時に高く持ち上げず、たらいの縁に沿わせて湯を切りながらつけ汁の容器に入れます。こうすると湯がはねず、最後までお汁が薄まらずに美味しくいただけます。丸いたらいを皆で囲む独特のスタイルもたらいうどんの醍醐味。ワイワイ食べると美味しさもひとしおです。お店は谷のすぐそばにあり、店の中から川の景色を眺め、せせらぎの音を聞きながらたらいうどんを食べられます。谷に降りて水遊びができる店もあり、自然豊かなロケーションを含めて楽しむスタイルとなっています。
御所のたらいうどん
徳島県
近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和6年度認定

牟岐の浜節句弁当

徳島県牟岐町では、上巳の節句を新暦の4月3日に祝う習慣があり、その際に御馳走をお重に詰めた弁当を持って浜辺に繰り出し、春の訪れを楽しむ「浜節句」が行われてきました。お弁当の内容は、①巻寿司、アジの姿寿司、いなり寿司、赤飯の型抜きなどのご飯類、②分葱のぬた、野菜や筍、豆の煮物、卵焼き、焼き魚、流れ子(とこぶし)の煮つけ、かまぼこの飾りつけなどのおかず、③牟岐町の特産品であるテングサを材料にした寒天羊羹や、みかん、りんごなど果物の飾り切りが色どりよく盛り付けられたものです。また、子どもには、菱餅やあられに加えて、お寿司、卵、寒天羊羹、芋餅、果物などを子供が好む食べ物が遊山箱に可愛らしく盛り付けられ、これを持って磯遊びや山遊びに出かけました。周辺地域では行われなくなった伝統行事が牟岐町には残されており、今後も絶やすことなく未来に伝えていきたい行事食です。
牟岐の浜節句弁当
徳島県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和4年度認定

牟岐の押し寿司

牟岐の押し寿司はこの地域において遅くとも100年以上前から友人・親戚が集まる機会や祭り、正月などのめでたい席で提供され、母から子へ姑から嫁へ受け継がれてきた地域の郷土料理である。この地域では米酢は使用せず、「ゆうのす」と呼ばれるゆず酢のみを使用している。 牟岐の押し寿司は魚を焼いてゆうのす(ゆず酢)につけ酢にごしを作り、にんじんやごぼう、切り干し大根、しいたけ、ちくわなどを醤油や酒、みりんなどで味付けした具材と砂糖やみりんで甘く煮た金時豆などの具材を用意しておき、押し枠に酢にごしを混ぜた酢飯を敷き、その上に具材を乗せ、さらにその上に酢飯をかぶせて軽く押す。飾りとしてゆずの皮や卵、紅しょうがなどを乗せ、彩よく仕上げる。飾りは季節や家庭によって異なる。見た目には白いごはんのみで作られているように見えるが、割ったときに刻んだ具材が出てくるのが特徴である。
徳島県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

阿波ういろ

阿波・徳島の「ういろう」とは意外に思うかもしれませんが、その歴史は古く、江戸時代、徳島藩にサトウキビが伝わり、和三盆糖が作られたことを祝って、旧暦3月3日の節句に藩主や領民がういろうを食べたことが始まりと言われています。その後、徳島では節句にういろうを食べる風習が継承され、庶民のおやつとして、多くの家庭で作られてきました。「阿波ういろ」は、もち粉が織り成すもっちりとした食感と、和三盆糖の風味が醸し出す上品な味わいが特徴のヘルシーなスイーツです。また、阿波ういろは、もう一つの徳島の特徴的な節句の風習とも深く関わっています。徳島の子ども達の多くは、三段重ねのお弁当箱「遊山箱」を下げて、節句に野山や海岸へと出かけましたが、中に詰めたごちそうの代表格がういろうでした。徳島の様々な文化を継承している「阿波ういろ」は、現在、多くの菓子店で様々な種類が作られており、県を代表する銘菓となっています。
阿波ういろ
徳島県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和3年度認定

「木頭ゆず」を使った郷土料理「かきまぜ」

【歴史・風土・特徴】徳島県那賀町では、古くから料理の風味付けに「ゆず」が使われてきました。「木頭ゆず」の特徴は、果実が大きく玉揃いがよく、外観が綺麗なこと、そして類をみない香りの高さと酸味が強いことです。この「木頭ゆず」の特徴を活かし、ゆずを中心とした独自の食文化が形成されてきました。我が子や孫に伝えたい食文化ゆずを栽培する農家の母たちが、「かきまぜ」「にぎり寿司」「ゆずみそ」などの地域に伝わる料理を作っています。それらは、我が子や孫に「木頭ゆず」を通して故郷を思い出してもらえる心温まる郷土色溢れた料理です。100年先まで届けたい郷土料理「かきまぜ」:那賀町では、五目寿司のことを「かきまぜ」と呼びます。このお寿司は、通常の米酢などの醸造酢は使わず、ゆず酢100%の果汁を贅沢に使用するのが大きな魅力です。地域では、お祭りや帰省等人々が集う際の定番メニューとされています。
「木頭ゆず」を使った郷土料理「かきまぜ」
徳島県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和3年度認定

島そうめん

徳島県南部に位置する牟岐町出羽島は、漁業を生業の柱として栄えた伝統的な漁家の主屋が建ち並ぶ歴史的な漁村集落として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。島そうめんはこの出羽島において戦前の頃から日常的・婚礼や船下ろしなどの祝いの席で提供される、地域の郷土料理です。そうめんを皿に盛り付け、長ネギ、かまぼこ、錦糸卵を添えて飾り付ける。甘辛く煮付けた魚の煮汁を使用したつゆを入れた容器をそうめんの皿の中心に置きます。魚は延縄漁などで獲られたレンコダイ(キダイ)を使用するのが主であり、そうめん、煮汁、煮魚が別容器で提供されます。水揚げされた魚を無駄にせず地域の限りある資源をとりこぼさず利用し、いただくという島民の姿勢から工夫された、米不足によりそうめんが配給された戦後の食糧難の時代を乗り越えてきた素朴ですが味わいのある料理です。島民のたくましさを表象するものとして次世代へ伝え残したいです。
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

鳴門わかめ料理

徳島県のわかめは、古くは奈良・平安時代から特産品として全国的に有名であったようです(927年「延喜式」に阿波の貢物としての記録)。1960年代から鳴門海峡を中心に養殖業が本格化し、徳島県は全国3位の養殖わかめ生産量を誇り、2010年代では年間6千トン前後を生産しています。産地ならではの料理として、新鮮な生わかめを湯通しすると美しい緑色になり、ポン酢で「しゃぶしゃぶ」が楽しめます。湯通し塩蔵わかめは、水戻しして汁物や酢の物、刺身の添えなどに使い、乾燥糸わかめやカットわかめは、そのまま温かい汁物などに入れるだけで歯ごたえの良い食感が楽しめます。また、乾燥糸わかめは「わかめ針」で葉を一本ずつ糸状に割いて乾燥させたもので、昔ながらの手間暇かけて作る伝統の技が受け継がれており、贈答品や土産物などとして活用されます。このような「鳴門わかめ」料理を郷土の伝統として、未来にしっかりと伝えていきたいです。
徳島県