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全国各地の100年フード

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宮崎県

未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和5年度認定

栗おはぎ

宮崎県美郷町周辺の家庭で秋のおやつとして食べられている栗おはぎは、栗の産地である里山で育まれてきた食文化です。栗は鮮度が命、傷みやすく、朝作られたものが夕方には食べられなくなることから、各家庭や地域のみで受け継がれています。80代の方に伺うと昭和20年代頃は、小豆が貴重で手に入りにくかったため、山に自生する山栗を拾い、おはぎを作ってもらい、おやつとして食べられていたようです。産地の特徴を活かし、栗の風味豊かでホクホクした栗と、しっとりとしたもち米が融合した栗の産地美郷町が育んだお菓子です。今でも家庭で食べられていますが、美郷町内のお菓子屋でも販売されるようになり、秋になると県外からも栗を求めてお客様がいらっしゃいます。美郷町では、栗おはぎを食べる文化とともに産地を守り、宮崎美郷栗のブランド化を目指しています。
栗おはぎ
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和5年度認定

菜豆腐

宮崎県の山間に位置する椎葉村は、遠い昔、壇ノ浦の戦いに破れた平家の武者たちが隠れ住んだほど静かな所で、山々に囲まれた自然豊かな村です。椎葉村では「菜豆腐」は、お祭りや冠婚葬祭など、人が集まる時に家庭で作られていた椎葉の郷土料理です。豆乳に刻んだ野菜などを入れて固めた豆腐で、水をしっかりしぼるため固めであること、1丁が通常の豆腐の2丁分にあたるほど大きいことも特徴です。大豆が貴重だった時代、少しでも大きな豆腐にするために、野菜などを入れて量増ししたと言われています。昔からよく使われていたのは「平家カブ」の葉。春先には菜の花の黄色い花やつぼみを入れたり、5月には紫色の藤の花を入れたり…春の菜豆腐の彩りは特に美しいです。その他、大根、人参、ユズ、最近ではパブリカなど、現在では様々な素材も入れられています。素朴な菜豆腐の味わいは、椎葉村そのものを表しているようです。
菜豆腐
宮崎県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和5年度認定

日向市細島の特徴的な魚食文化

漁師と商人が共存し、それぞれ独自の食文化を形成してきた日向市細島。代表的な漁師料理として、「こなます」と「ごんぐりのかき揚げ」があります。「こなます」は、ごはんとカツオの刺身を混ぜてこね、丸く成形した後に炭火で焼いたものです。船上でごはんが冷めても美味しく食べられるように作り始めたとされます。「ごんぐりのかき揚げ」は、ごんぐり(まぐろの胃袋)を下茹でしたものを、かき揚げにしていただきます。他地域では甘辛く煮ていたものを独自に発展させた料理です。一方の商人町では、交易で見聞きした文化をもとに、「味噌なます」や「干しフカ」に代表される独自の食文化が創られました。「味噌なます」は、甘鯛を使った冷や汁で、青魚を使用する一般的な冷や汁と比較し、油の少ない上品な味わいとなります。また、「干しフカ」は棒鱈にヒントを得たとされる。鱈が獲れない細島ではフカを使い、臭みを消すために橙に漬けるという独自の調理法が生まれました。
宮崎県