近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和6年度認定
富山湾のホタルイカ
ホタルイカが産卵にくる滑川周辺の富山湾は、「ホタルイカ群遊海面」として国特別天然記念物に指定されています。成熟したメスだけを定置網で漁獲する富山湾の中でも、「ホタルイカのまち」として知られる滑川は、漁場が港に近いことから新鮮で大ぶりな産卵期のホタルイカが生でも流通するため、食文化が根付いています。元々は肥料や餌料として捨て売り状態でしたが、食料としての利用や流通の始まりは明治30年前後のようです。今では信じられませんが、食べ物として厳しい評価を受けていた時代もあったものの、先人たちが調理法やレシピを開発・改良していき、戦後以降は富山湾を代表する味覚の地位を確立し現在に至ります。当初は素干・煮干が主で、その後、甘露煮や桜煮(釜揚げ)が開発されていき、酢味噌和えや刺身などに加え、現在では唐揚げや天ぷら、しゃぶしゃぶ、パスタやアヒージョ、沖漬けをはじめとした様々な形で賞味されています。
