近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和6年度認定
鉄砲巻き
東京湾に面した富津市では、栄養塩類が豊富で潮通しの良い漁場環境を活かして、江戸時代から海苔の養殖が行われており、現在でも千葉県の海苔生産の7割を占めています。この江戸前の海苔を使用した「鉄砲巻き」は、昔は当たり前のように家庭で削っていたカツオ節を醤油で味付けして具にした太巻きで、手早く作ることができ、海で仕事をする漁師が片手で持って食べられることから、漁師の携帯食として古くから親しまれてきました。名前の由来は、鉄砲に似た見た目からきています。市役所でも、市制施行記念行事での30メートルを超えるジャンボ鉄砲巻きづくりや、海苔の豊漁を祈願して恵方巻の代わりに鉄砲巻きを頬張るイベントなど、鉄砲巻きにちなんだ行事も行われました。今でも鉄砲巻きを持って海に出る漁師も多く、その手軽さから家庭での食事やお弁当のおにぎりの代わりとしても食べられ、市内の一部の飲食店ではメニューにもなっています。

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