伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和6年度認定
ふなめし
「ふなめし」は、庶民の料理として江戸時代より岡山県南部や児島湖周辺、高梁川下流域に伝わる冬の郷土料理で寒くなるとどこの家でも食べたものです。冬に脂ののった寒鮒の鱗や頭、臓物をとり包丁でトントコたたいて(このことから「トントコ飯」とも言われています)ミンチ状にします。これを油を引いた鍋に入れ充分火が通るまで炒め水を加え沸騰したら、大根、人参、牛蒡、子芋、葱などの野菜と油揚げ、竹輪、蒟蒻を加えてしばらく煮ます。野菜などが煮えたのを確かめ調味料の醤油で味付けして汁をつくり、熱々のご飯にかけて食べる料理です。「ふなめし」は岡山市南区だけでも妹尾地域、灘崎地域、興除地域、藤田地域それぞれに地元の味があるとともに各家庭の味があります。また類似した料理として岡山県東部の備前市日生地域などには、フナの代わりにゲタ(舌平目)を使った郷土料理「ゲタ飯(ゲタのかけ飯)」があります。

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