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全国各地の100年フード

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山形県

伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和6年度認定

むくり鮒

横顔の形の山形県、その口角のあたりが川西町です。町内7つの地区の中で一番の面積を持つ玉庭では、上杉の時代に下級武士が住んでいた事から数多くの歴史と共に受け継がれてきた文化があります。その一つが今回ご紹介する『むくり鮒(ぶな)』です。その歴史には諸説ありますが、鷹山公推奨の冬のたんぱく源であり、近年では転作田を活用した養殖に取り組む事で通年販売が行えるようになりました。むくり鮒加工は、冬の間が最盛期であり、県内有数の豪雪地帯である玉庭の貴重な冬仕事でもあります。春に放流・孵化、夏に水温や食糧調節等、徹底した管理を行い、成長した鮒を秋に水揚げ、冬に加工します。切腹は縁起が悪い事から背開きにしてむくる(「めくる」の方言)、転じて縁起物とされ年末年始のご挨拶品に選ばれることも多くなりました。また、町内小学校の授業でも取り上げられる伝統の『むくり鮒』をこれから先も未来へ残していきたいと考えます。
むくり鮒
山形県
近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和5年度認定

冷たい肉そば

「冷たい肉そば」は、親鶏ダシで醤油味の、冷たい汁そばです。肉といっても、豚でも牛でもなく、鶏肉(親鳥)を使っています。コクのあるダシに負けないようなコシの強い田舎蕎麦が特徴。そばの上には、コリコリとした食感がくせになる親鳥と小口切りのねぎがのるシンプルかつ奥深いそばです。そのルーツは戦前までさかのぼります。当時、河北町で、ちょっと一杯といったら「そば屋」。お客さんがある日、残った馬肉の煮込みをそばにかけて食べてみたところ思いのほか美味しく、馴染みのお客さんたちから注文されるように。つまり、今で言う「人気の裏メニュー」。この料理は、お客さんのリクエストから生まれた料理なのです。その後、馬肉がどこの家でも飼っていた鶏に代わりました。素朴でありながら一度食べるとまた食べたくなる・・・長い間地元の人々に愛され続けてきた故郷の味です。
冷たい肉そば
山形県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和4年度認定

蔵王温泉ジンギスカン

昭和の初期、当地山形では羊毛生産のため、各農家において緬羊が多数飼育されていました。 戦後、化学繊維の普及に押されて羊毛が暴落し、行き場のない羊を持つ農家を救済する必要があったため、モンゴルの鉄兜で焼く羊料理を参考に、山形鋳物工場に鉄鍋の製作を依頼しました。 多少癖のある肉を美味しく食べる工夫を重ね、独特のたれも完成させ、当時(昭和24年)新日本観光地百選山岳の部1位に選ばれた蔵王温泉の名物料理にとジンギスカンが考えられました。 当初から蔵王では、冷凍肉ではなく生肉を使用しており、肉厚で癖のないジューシーな食感を楽しめ、現在、蔵王温泉に6軒、蔵王の麓の蔵王地区と言われているところに2軒、山形駅前に1軒お店があります。各店毎に独自のタレを工夫しておりますので、それぞれの味をお楽しみください。
蔵王温泉ジンギスカン
山形県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和4年度認定

酒田のラーメン

山形県民がラーメン好きであることは有名ですが、酒田も例外ではありません。大正15年に中国人が伝えた「支那そば」を源流とする、日本海から水揚げされたニボシやコンブ、離島・飛島の特産品であるトビウオの焼き干しなどでダシを取った、あっさりとしながらもコクのあるしょうゆ味の「酒田のラーメン」は、100年の時を超えて、市民に愛され続けるソウルフードです。 市内のラーメン店の多くが、伝統的な味をベースとしながらも、日々研究を重ね、独自の味を生み出しています。スープとよくなじみ、伸びにくい自家製麺も酒田のラーメンを特徴づける要素のひとつです。 伝統的なしょうゆ味を追求する店に加え、新しい味に挑戦する店も含め、ラーメン店全体のレベルが高いのもまた、酒田のラーメンの特徴です。 日本有数の米どころ山形県庄内地方にあって、市民の心をつかんで離さない「酒田のラーメン」。スープまで飲み干してしまうその味を、一度味わってみては。
酒田のラーメン
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和4年度認定

笹巻

「笹巻」は、もち米を笹の葉に包んで煮て作られる粽(ちまき)の一種。中でも、鶴岡市で作られる笹巻は、水に木灰を加えて煮た上澄み液である「灰汁(あく)」に、もち米を浸漬してから作られることが特徴。強アルカリ性を示す灰汁のはたらきにより、黄色くゼリー状の、独特な風味を持つ笹巻になり、日持ちするようになる。形は「三角巻き」や「こぶし巻き」など多様で、地域に応じて一定の傾向が見られるほか、特定の儀礼や行事の時に作られる形もある。伝統的には、携行食や端午の節句の行事食として食べられてきた。今では季節を問わず産直施設等に並ぶなど、地域の人々に愛され、深く根を下ろした食文化である。『悪作付書記』(天明8(1788)年)に、「粽をにる如くの灰汁をこしらい……」という記述があることから、当時から粽に灰汁が用いられていたことがわかる。これが現在伝わる笹巻につながるとすれば、230年以上の歴史を持っていると考えられる。
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和4年度認定

むきそば

「むきそば」は、ソバの実をむいて茹でたものに出汁をかけて食べる酒田の郷土料理です。 もともと上方(関西地方)のお寺で食されていた精進料理だったものが、江戸時代に北前船によって酒田に伝わったと言われています。明治初期、北国一の湊町として酒田が繁栄を極めた時代に、一流料亭で食膳に上げられました。北前船の往来によって富を成した豪商たちが足を運び、贅沢な料理とお座敷遊びを楽しんでいた料亭で提供されることにより、米や小麦の代用ではない、贅沢で上品な日本料理の一つとして確立したと言えるでしょう。 酒田では、素材を生かし、昆布出汁やシイタケ、鶏肉などで上品な味に仕上げた逸品として残り、今も会席料理の小鉢などで提供されています。 サラッと爽やかな味わいとプチプチとした食感は、疲れた身体にもやさしい料理です。 現在は、むきそばと出汁がセットになった缶詰やレトルトも、湊町酒田のお土産として販売されています。
山形県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和4年度認定
有識者特別賞

山形芋煮

山形といえば「芋煮」!江戸時代から続く山形を代表する郷土料理です。江戸時代に河川舟運に携わる人々が河原で鍋をしたのが始まりとされます。そんな由来があることからか、「河原」で行うのが「山形風」。職場、家族、友人などの仲間たちが河川敷に集い、一緒に調理した芋煮を食する「芋煮会」は秋の山形の風物詩です。 同じ山形県内でも地域によって味付けや具材が異なり、自分の土地に対する思い入れが詰まっています。山形市など山形県内陸地方では、「さといも」、「牛肉」、「こんにゃく」、「ネギ」を基本とした「醤油味」ですが、日本海側の庄内地方では、「豚肉」を使用し、「味噌味」になります。時には、味や具材の違いにより、「芋煮論争」に発展することもありますが、郷土愛ならでは。 例年9月の第3日曜日には、「日本一の芋煮会フェスティバル」が開催されます。直径6.5mの日本一の大鍋と重機で、約30,000食分を超える食材を一気に調理する光景は、まさに「日本一」を名乗るにふさわしい芋煮会です。
山形芋煮
山形県