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全国各地の100年フード

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石川県

伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和5年度認定

かましいりこ

かましとは、白山市白峰地域の方言で雑穀のシコクビエのことです。粉の状態では麦焦がしのような香りがあり、砂糖をお好みの量入れて熱湯を注ぎ練り上げた「かましいりこ」は、地域の昔ながらのおやつです。かましは縄文時代晩期に日本に伝えられたといわれ、縄文時代から人々が住み始めたといわれる白峰では、先祖代々大事に食べ繋いできた歴史ある食物でもあります。他の作物よりも加工に手間がかかる事もあり、今では生産者が減少し、流通も多くないため「幻の雑穀」と呼ばれています。その一方で栄養価が高く、近年スーパーフードとしても注目されています。かましいりこの伝統を守るため、白峰の住民で運営する白峰まちづくり協議会が立ち上がり、栽培・収穫後に製粉したかましを特産品販売施設「菜さい」にて販売している他、飲食店のメニューとしてかましいりこを提供しており、観光などで訪れる人々も山村ならではの食文化に触れることができます。
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和5年度認定

白峰堅豆腐

奈良時代に日本に伝わったという説のある豆腐。元来堅く、江戸時代頃から柔らかい豆腐が全国に普及したといわれています。そんな中、古来の豆腐作りが残った白峰では、現在でも「豆腐」は堅豆腐で、一般的な豆腐は「やこ豆腐」(柔らかい豆腐)と呼ばれ区別される程、日常的に食卓に上ります。一般的な豆腐の約4倍の大豆が使われ、水分の少ない堅豆腐は、紙で包んだり、縄で縛ったりして持ち運べ保存もきくため、奥山で「出作り」を営み暮らす人々も里で買い求め、山へ持ち帰って食していました。特徴的な食べ方は「刺身」で、地元産わさびやにんにく味噌などを添えていただきます。近年では菜食に適した食材としても重宝され、カツやハンバーグ、カレーの食材にと、工夫を凝らした料理を地域食堂にて提供。雪深い山麓で守られてきた、日本の伝統的な食文化が表現されながらも、菜食などの新しい食のスタイルにも寄り添える、懐の深さが堅豆腐にはあります。
石川県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和4年度認定

小松うどん

幕府への献上品から加賀藩主、そして城下の庶民に広く愛されるとともに、俳聖・松尾芭蕉からも称賛を受けた加賀藩の名産品として知られた「小松うどん」。 程よいコシとつるつるとしたのど越しの細麺が特徴。出汁は霊峰白山の伏流水を使用し、ウルメ、ムロアジ、サバなどの雑節と北前船交流で用いられるようになった昆布をふんだんに使ったうま味と甘みのある上品なコクが最大の特徴です。 出汁とうどんの相性は抜群で、素うどんや冷やしうどんはもちろんのこと、ニシンうどんやいなりうどん、肉うどんなど具材により様々なうどんが楽しめます。ほんのり飴色がかった色は小松産小麦使用の証です。 江戸時代前期から330年以上の歴史と伝統を現代に受け継ぐ「小松うどん」。石川県内に広く浸透する日常食として、様々な場面で食される小松人が愛してやまないソウルフードです。
小松うどん
石川県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

美川のふぐの子糠漬

「美川のふぐの子糠漬」は、白山市美川地区で古くから作られてきた発酵食品です。北前船で栄えた港町に伝わる「美川のふぐの子糠漬」は、危険な食材であるふぐの卵巣を、発酵の力により無毒化し、珍味に昇華させた食品です。源は定かではありませんが、幕末には他国から「ふぐの子」を多く輸入している記録があることから、この頃には製法が確立していたものと考えられます。糠の風味とともに、濃い塩味の奥から来るチーズにも似た芳醇なうまみは、ひと口食べれば病みつきになること請け合いです。ご飯のおかずやおにぎりの具、お茶漬けにして食されるほか、日本酒のアテとしても愛されてきました。先人の知恵と創意工夫で生まれた「奇跡の発酵食品」をぜひご賞味ください。
美川のふぐの子糠漬
石川県