近代の100年フード部門〜明治・大正に生み出された食文化〜
令和4年度認定
桜海老の沖あがり
桜海老の沖あがりとは、簡単に言うと『すき焼き』の桜海老バージョンです。豆腐、ネギなどお好きな野菜を入れて、仕上げに生の桜海老を色が変わる程度にサッと煮込めば出来上がりです。桜えびは明治27年に偶然大量に水揚げされたのが始まりですが、当時は木造船で現代のような魚群探知機や、網を巻き上げるローラーもなく、漁師は夕方から翌朝までの長時間沖で漁をしていました。浜辺で漁の安全を待つ家族たちは、沖から船の帰りが見えると冷えた身体と疲れた身体を癒すために火を焚き、鍋に豆腐、ネギなどを甘いタレで味つけて用意し、沖から上がったばかりの高鮮度の桜えびを仕上げに入れて、大漁の祝いと同時に賄ったのが始まりと言われています。当時は疲れを癒すために、お砂糖をたくさん入れて甘く仕上げましたが、現代ではすき焼き程度の味付けが主流となっています。また、お好みで溶き卵を入れて丼にするのも現代では好まれます。

静岡県
由比桜海老商工業協同組合
https://sakuraebi.com