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全国各地の100年フード

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岩手県

伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和6年度認定

としるの貝がら焼き

三陸地域の乾鮑は、江戸時代において乾燥ナマコやフカヒレと共に中国へ輸出され、その品質の高さから「俵物三品」と幕府のお墨付きが付くほどのものでした。現代においても、乾鮑は中華料理の高級食材として広く愛され、活アワビと共に高品質なアワビとして知名度の高いものとなっています。乾鮑の製造では肝の部分は使われません。また、肝はすぐに鮮度が落ちるため、漁業者の間では浜のまかない料理として肝を食べる文化が発展しました。アワビの肝は「としる」と呼ばれ、特に滋養強壮に良いと親しまれており、その代表的な食べ方が「としるの貝がら焼き」です。アワビの貝がらを小さな鍋として使用し、貝がらの穴に味噌を詰め、大根の千切りと共に肝を煮込んだ料理です。肝の滋味深い味わいが印象的なこの料理は、味噌、醤油の味付けや、貝柱のスライスを添えるなど家庭ごとに工夫が加えられながら漁業者の間で伝わってきた料理です。
としるの貝がら焼き
岩手県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和4年度認定

南部鼻曲がり鮭の新巻鮭

独特な容姿から南部の鼻曲がり鮭とも呼ばれている「新巻鮭」は、400年以上前の安土桃山時代に大槌(おおつち)で誕生したと伝えられています。当時の城主である大槌孫八郎は「この地の鮭を江戸に運び、大槌の名物にできないか」と考え、美味しく長期保存できる新巻鮭を編み出しました。新巻鮭は鮭を塩蔵したのち寒風干しにした加工品で、現在も昔からの変わらない手作業によって作られる、三陸を代表する伝統的な特産品です。寒風干しによって旨味が濃縮された新巻鮭は贈答品としても喜ばれ、今日も全国各地の食卓を彩ります。大槌町では文化継承活動の一環として小学校で新巻鮭作りの体験学習が行われます。ここ数年、鮭の水揚げ量は減り続け地元の鮭を使うことは難しくなりましたが、新巻鮭発祥の町としてこれからも文化を守り続けます。
岩手県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

一関・平泉の伝統的なもち食文化

一関・平泉には、全国的にも特徴あるもち食文化が今なお受け継がれています。今から約400年前の江戸時代に、当時この地方を治めていた伊達藩の慶弔儀礼式が庶民へと普及したといわれ、冠婚葬祭などの改まった席では最高のおもてなし料理として「もち本膳」が振る舞われます。年中行事や人生の節目などには餅をついて食べる習わしがあり、かつては一年に60日以上も餅をつく日があったとされています。多彩なもち料理の数々も魅力です。農産物や山菜、沿岸地域から運ばれる海産物など豊かな食材を活かしたもち料理が伝わっています。また、戦中、戦後にはくず米に雑穀を混ぜた「しいなもち」を美味しく食べるため、生活の知恵で味の工夫を加えてきました。食べ方のバリエーションは300種類以上とも言われています。
一関・平泉の伝統的なもち食文化
岩手県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

じゅうね餅

エゴマの中には健康長寿の源となる成分が沢山含まれています。この地方では古くからえごまを食べると健康で元気になると体験的に語られ、寿命が十年長生きできるということから「じゅうねん、またはじゅうね」と呼ばれました。貧しかった農村で農家の副食として食べられていたエゴマは、今や胆沢地域にある温泉保養施設ひめかゆ温泉の「じゅうね餅」としてでしか食べることができなくなりました。ほろ苦い中に甘みが溶け出すえごま独特の味わいで親しまれ十年長生きすると伝えられた健康長寿の「じゅうね餅」。江戸時代以後は稲作も進みこの地域が伊達藩の領内であったことからこの「じゅうね」を餅に絡めて食べるじゅうね餅が定着していました。今こそ地域の伝統食として100年先へ伝えたい食文化です。
じゅうね餅
岩手県
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

まめぶ

「まめぶ」は江戸時代から伝わる郷土食です。岩手県久慈市山形町(旧山形村)にて受け継がれ、ここまで伝承範囲が限られた郷土食も珍しいといわれています。 地域の冠婚葬祭などに欠かせない行事食で、特に年末に行われる煤掃いや大晦日で食べられ、「まめぶを食べないと年が越せない」と言われるほど人々が心待ちにしている行事食です。「まめぶ」を家族皆で、役割分担して作ることも地域の伝統です。「まめぶ」は昆布と煮干しで取った出汁に、醤油で味を調え、クルミと黒砂糖を包み親指大に丸めた小麦団子と地元で取れたゴボウやニンジン、焼きどうふ、油あげ、かんぴょう、しめじなどを入れて煮た具だくさんの料理で、汁はしょっぱく、団子は甘い、癖になる不思議な汁物です。「まめぶ」は地域の宝として、地域ぐるみで保存継承活動を進めています。山形町内の小中学校では「まめぶ」給食があり、保存継承の教育のため未来継承講座が行われています。
岩手県
未来の100年フード部門〜目指せ、100年!〜
令和3年度認定

盛岡三大麵(わんこそば、盛岡じゃじゃ麺、盛岡冷麺)

盛岡市は、総務省統計局が実施した家計調査報告(平成21年~23年平均)において、中華麺の購入が全国の県庁所在地で第一位となるなど、麺が市民にとても好まれている町です。特に、「わんこそば」「盛岡じゃじゃ麺」「盛岡冷麺」は盛岡三大麺として様々なメディアに取り上げられる機会が多く全国的にも有名な地域ブランドに成長しました。盛岡にいらした思い出にぜひ盛岡三大麺をお召し上がりいただき地域が育んだ独特の食文化をご堪能いただければ幸いです。
盛岡三大麵(わんこそば、盛岡じゃじゃ麺、盛岡冷麺)
伝統の100年フード部門 〜江戸時代から続く郷土の料理〜
令和3年度認定

わんこそば

わんこそばとは、お椀に一杯ずつ給仕された一口分のそばを次々に食べ、何杯食べられたか競い合うものです。花巻のわんこそばの歴史は400年程昔にさかのぼり、南部家第27世利直公が江戸に上られる途中、花巻にお立ち寄りになられたおり、旅のつれづれをなぐさめようと郷土名産のそばを差し上げたところ、利直公はその風味をたいへんお気に召され何度もおかわりをされたと伝えられ、その際、そばを上品に椀に盛って差し上げたところから「わんこそば」と称されるようになったといわれています。わんこそばというと、大食いのイメージがありますが、元々はお客様にたくさん召し上がっていただきたいという、おもてなしの食文化です。現在では花巻市内の複数の店舗で提供されており、毎年全国から5,000人以上来場する今年で64年目となる「わんこそば全日本大会」も行われています。
わんこそば